「システムを作らせる技術」輪読会完了レポート
当記事をご覧いただきありがとうございます。
エンジニアの長山です。
去年の夏ごろから「システムを作らせる技術 エンジニアではないあなたへ」という本の輪読会を行なっており、今年の3月で無事に輪読会を通じて読み切ることができました。
本の題材としては少し特殊で、システムを作るエンジニア目線ではなく、作らせる側の目線での内容でした。この本を選んだ理由やそこから得た学びがあったのでお伝えできればと考えています。
輪読会の概要
- 題材
「システムを作らせる技術 エンジニアではないあなたへ」
- 日時と参加者
- 日時
- 週1回1時間(オンライン)
- 参加者
- エンジニアチーム全員
- ビジネスサイドで興味を持ったメンバー
弊社のビジネスサイドのメンバーは実際に発注者と関わっており、知見のあるビジネスサイドのメンバーにも参加してほしいという思いがエンジニアチームとしてありました。そのため、都度Slackで実施を周知して参加者を募りました。
題材の選定理由と本の概要
私たちの事業はシステムを作りたいお客様から予算や要件を聞き、最適な業者やSaaSなどの製品を紹介するマッチング事業です。また、社内での施策開発においても、事業側とどういうコミュニケーションを取ればいいか学ぶことが大事です。
このような背景から事業側がシステムを作る際にどういったことを気に掛けるかが書かれている「システムを作らせる技術」を選びました。
この本はエンジニア側ではなく、非エンジニアとしてシステム開発・導入プロジェクトに携わる際、つまり「他者にシステムを作ってもらう」際に必要な知識や技術がプロジェクトの進行に沿ってまとまっています。
この本で以下のような知見を得たいと考えていました。
- システムの導入や改修を含む業務改革プロジェクトの進め方
- プロジェクトで踏むべき段階と、各段階の目的・TODOの明確化
輪読会当日の様子
輪読会ではまず担当者が要約を発表し、その後参加者全員で議論をしました。議論にはビジネスサイドのメンバーにも参加してもらいました。
例えば、A章では「システムより先に考えるべきこととは?」という題材でした。その中でゴールデンサークルという概念が出てきており、「Why ⇒ What ⇒ How」の順番で考え、システムを手に入れて何をしたいのかを事前に考え尽くす必要があるという話が出てきました。
こういった題材では、以下のような感想が生まれてそこから議論が発展しました。
- What(何を作るか)だけを考えると背景がわからないので議論のグリップが取りづらい。
- システムを作らせる側の人がHow(こういうシステムを作ろう)に対して共感や興味をもって対応してくれる人だと要件がスムーズに決めやすい。
- Why(背景や理由)を飛ばしてWhat(何を作るか)の話だけをしてしまうと、本来の要求を満たせないシステムになったり、無駄な機能を盛り込んでしまう可能性がある。だから、Whyがわからない状態で完璧なシステムや開発工程を考えるのは難しい。
輪読会で得た学び
システムを作って導入するまで、次のようにプロジェクトが進行することがわかりました。
- ゴールの明確化
- 現状を調査し分析
- プロジェクトが提供する価値の明確化
- 要求定義・要件定義
- 詳細な要件決め
- 設計や開発・テスト
- 現場への導入・運用
そして、マッチング事業としてはシステムの依頼をおこなうお客様の背景や理由を理解し、どういったシステムを作るべきかを考える必要があることを学びました。
社内開発のコミュニケーションとしては、プロジェクトが関わる部署それぞれの視点が納得できるようなわかりやすいWhy(背景や理由)を定義することや、スコープやどのような機能であるかを予め明確化することを学びました。
また、輪読会に対する学びとして、題材によって最適なやり方が違ってくるということを感じました。輪読会といっても読書会やディスカッション形式など様々な形式があるかと思います。今回はディスカッション形式かつ、ビジネスサイドの方も参加していただく方式にすることで、この本の学びを最大限活かすような輪読会を設定することができたと感じました。
まとめ
今回は「システムを作らせる技術」の完了レポートを通じて、本の学びやどういった輪読会であったかを伝える記事を書かせていただきました。「システムを作る」側の私たちも、発注する側の立場に立って「システムを作らせる」ために何をするべきかを理解しておくことは重要です。輪読会を通じて発注者と関わっているビジネスメンバーの意見が得られ、「他者にシステムを作ってもらう」際に必要な知識や技術を得ることができました。
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